コラム1：旅行が認知症予防にもたらす効果の研究始まる
旅行会社のクラブツーリズム株式会社と東北大学加齢医学研究所（所長：川島隆太教授）が、
旅行が認知症予防にもたらす効果についての共同研究を、2016年7月より開始したという興味深いニュースがありました。
この共同研究は、シニア世代の旅行に強みを持つクラブツーリズムと、
脳科学分野の世界的権威である東北大研究所が連携し、
同研究所の「生涯健康脳」研究の一環として、「旅行」と「認知症予防・抑制」の相関関係について
医学的見地から調査・研究するものということです。
具体的には、東北大研究所の瀧靖之教授とクラブツーリズムが共同で、
「旅行に行く頻度の高い高齢者は主観的幸福感やストレスコーピング（対処）能力が高く、
認知機能が保たれている。また、旅行前・旅行後で脳に変化があり、
主観的幸福感は向上、認知機能は低下抑制が見られる」という仮説を、今後3年間かけて、検証していくそうです。
事前調査として、2016年5月に45名のお客様を対象に事前アンケートを実施したところ、
頻繁に旅行に行くほど、あるいは明確な動機を持って旅行に行きその動機が満たされるほど、
主観的幸福感が高くなる可能性が示唆されたようです。
クラブツーリズムは、60歳以上のお客様が参加者の約65％を占め、
旅先で何をするかを重視した目的志向型の「テーマ旅行」を業界の先駆けとして提案しているそうで、
この研究を通じて、旅行による健康改善効果や脳・認知機能へのポジティブな影響を科学的に解明することで、
お客様の健康や自己実現、社会全体の喜びに資するより質の高い商品やサービスを提供していくことに。
共同研究の実施にあたっては「旅行」と「脳の健康」に関連する各種ツアーや講座、
イベントなどの実施が予定されているようです。
【共同研究 実施概要】
＜検証項目＞
・旅行が高齢者の主観的幸福感やストレスコーピング（対処）能力の向上、脳萎縮の抑制、認知機能の維持に影響
することを、脳科学的に示す。
・旅行の頻度および経験が、脳のどの領域の構造に関連し、どのような認知機能のレベルの維持に関連するかを
明らかにする。
事前調査では、頻繁に旅行に行くほど、あるいは明確な動機を持って旅行に行きその動機が満たされるほど、
主観的幸福感が高くなる可能性が示唆され、
高い主観的幸福感は、長寿命や認知機能の維持に影響すると考えられているようです。
今回のプレ調査の結果は、旅行が認知症の予防・抑制に効果的であるという可能性に、
期待が持てる結果であると考えられるとのこと。
旅行が認知機能低下の予防になるならうれしいですね。
3年後の究結果が待たれるところです。
【参考：20160706 産経ニュース】
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